ヌカボシの雑記帳

気ままにブログをかいております。平凡な日常をつらつらと。ゆるーく雑記。

小説4「入れ代わり、立ち代わり。」

 

ひとまず部屋に入ったはいいが寝れるはずがない。

ずっと忘れようと願って、やっと思い出さなくなっていたのに。

 

目をゆっくり閉じた。

落ち着こうと思ったけれど、あの時の光景が映って、消える。それから再び光景が映る。

 

どうにもできなかった。

ただただ、涙が流れるばかりだ。

 

どうしようもできないこの事実を前に私は争うことができない。

話したいことが募るけれど、どうせ伝わらないのだ。こんな経験、誰もしたことがないのだから。

 

溢れては流れる涙を皐はなすがままにすることしかできない。

 

遠くから笑い声が聞こえる、きっと二人なはずだ。幸せそうなその声はいつまで続くのだろうか。